スクラッチプログラミング - けいさんドリル|かけざん・わりざん
Scratch (スクラッチ)で「たす」「ひく」「かける」「わる」の簡単(かんたん)な問題(もんだい)をランダムにつくります。わりきれない「わりざん」では、こたえを小数(しょうすう)ではなく「あまり」で表示(ひょうじ)するよう工夫(くふう)します。

「かけざん」と「わりざん」のドリル
Scratch (スクラッチ)で計算(けいさん)ドリルをつくる方法(ほうほう)を、3回(かい)にわけて紹介(しょうかい)しています。今回(こんかい)は、そのパート2です。
- パート1では、「たしざん」と「ひきざん」の問題(もんだい)をつくりました。
- パート2(このきじ)では、「かけざん」と「わりざん」を追加(ついか)します。
- パート3では、問題(もんだい)をだすためのボタンを作成(さくせい)します。そして、こたえあわせができるようにして、計算(けいさん)ドリルを完成(かんせい)させます。

サンプルプロジェクト
下(した)にあるのは、計算(けいさん)ドリルのサンプルプロジェクトです。記事(きじ)をよみすすめる前(まえ)に、問題(もんだい)やこたえがどのように表示(ひょうじ)されるのかをみておいてください。

演算子(えんざんし)を追加(ついか)しよう
パート1でつくった「たしざん」と「ひきざん」にくわえて、「かけざん」と「わりざん」もできるようにしていきます。演算子(えんざんし)のスプライトに、「×」「÷」のコスチュームを追加(ついか)して、「かける」「わる」と名前(なまえ)をつけておきましょう。

コスチュームを4つにふやしたので、スクリプトも変更(へんこう)してください。

ふたつめの数字(すうじ)のスクリプトを修正(しゅうせい)しよう
今回(こんかい)つくる計算(けいさん)ドリルでは、「わりざん」のこたえが、たとえば「4÷7=0あまり4」のように、ゼロにならないようにします。そのために、ふたつめの数字(すうじ)のスクリプトを修正(しゅうせい)しましょう。
こたえが「0あまり4」のようになるのは、わられる数(かず)よりわる数(かず)のほうがおおきいときですね。これをふせぐために、ふたつめの数字(すうじ)が、ひとつめの数字(すうじ)とおなじ、または、それよりちいさくなるようにします。
例(れい):
- 4÷7 → NG ×
- 4÷4 → OK ◎
- 4÷1 → OK ◎
つかうブロックは、次(つぎ)の3つです。

「ひきざん」のときにこたえがマイナスにならないようにした方法(ほうほう)とおなじかんがえかたなので、下(した)のようにブロックをくみあわせましょう。

「ひきざん」と「わりざん」のときは、かならず、ふたつめの数字(すうじ)がひとつめの数字(すうじ)とおなじ、または、それよりちいさくなるようになりました。
イコールのスクリプト
「かけざん」と「わりざん」の計算(けいさん)ができるよう、イコールのスクリプトにブロックを追加(ついか)していきましょう。
- 演算子(えんざんし)が「×」なら、ふたつの数字(すうじ)をかけた結果(けっか)を
こたえ
に保存(ほぞん)します。 - 演算子(えんざんし)が「÷」なら、ひとつめの数字(すうじ)をふたつめの数字(すうじ)でわった結果(けっか)を
こたえ
に保存(ほぞん)します。

「わりざん」のこたえが小数(しょうすう)にならないようにする
「わりざん」では、たとえば「7÷4」のように、わりきれないときがありますよね。この場合(ばあい)、こたえ
にはいる値(あたい)は「1.75」のように小数(しょうすう)になります。
- 7÷4=1.75
今回(こんかい)つくる計算(けいさん)ドリルでは、こたえを小数(しょうすう)ではなく「あまり」であらわすようにしますよ。「7÷4」のこたえは「1あまり3」という具合(ぐあい)です。
- 7÷4=1あまり3
こたえ
に小数点(しょうすうてん)がふくまれる場合(ばあい)は、こたえ
に保存(ほぞん)する値(あたい)を変更(へんこう)しましょう。

複数(ふくすう)のブロックをくみあわせているので、わかりにくいですね。あまりであらわすためにつかっているのは、以下(いか)のブロックです。

うごきをたしかめよう
では、ここまでのうごきを確認(かくにん)してみましょう。緑(みどり)の旗(はた)をおすたびに、「たしざん」「ひきざん」「かけざん」「わりざん」の問題(もんだい)がランダムにでるようになりました。でも、わりきれない「わりざん」のとき、変数(へんすう)にはあまりのあるこたえがはいりますが、こたえの表示(ひょうじ)はただしくありません。

次(つぎ)のセクションから、あまりのあるこたえをただしく表示(ひょうじ)できるようにしていきます。
いちのくらいのスクリプトを修正(しゅうせい)しよう
わりきれる「わりざん」と、わりきれない「わりざん」では、こたえの一の位(いちのくらい)の指定(してい)方法(ほうほう)がかわってきます。わりきれない「わりざん」にも対応(たいおう)できるように、一の位(いちのくらい)のスクリプトを修正(しゅうせい)しましょう。
- こたえにあまりがある場合(ばあい)とない場合(ばあい)を、
もし〜なら、でなければ
でわけます。 - すでにつくってあるスクリプトは、
でなければ
の中(なか)にいれます。 ひょうじする
は、でなければ
の下(した)につなげてください。

あまりがある場合(ばあい)、こたえの一の位(いちのくらい)に指定(してい)するのは、変数(へんすう)こたえ
にはいっている値(あたい)の左(ひだり)からかぞえて1番目(ばんめ)の文字(もじ)です。

こたえの一の位(いちのくらい)をただしく表示(ひょうじ)できるようにしましょう。
- こたえにあまりがある場合(ばあい)
- 表示(ひょうじ)する位置(いち)を指定(してい)します
- コスチュームを
こたえ
の1番目(ばんめ)の文字(もじ)にします。

じゅうのくらいのスクリプトを修正(しゅうせい)しよう
今回(こんかい)つくっている計算(けいさん)ドリルでだされるのは、一桁(ひとけた)の問題(もんだい)だけです。そのため、わりきれない「わりざん」のこたえが、たとえば「10あまり1」のように、10をこえることはありません。
わりきれない「わりざん」のときは、十の位(じゅうのくらい)が表示(ひょうじ)されないようにしましょう。
- こたえにあまりがある場合(ばあい)とない場合(ばあい)を、
もし〜なら、でなければ
でわけます。 - すでにつくってあるスクリプトは、
でなければ
の中(なか)にいれます。

あまりがある場合(ばあい)、十の位(じゅうのくらい)は非表示(ひひょうじ)にします。

わりきれない「わりざん」でも、こたえをただしく指定(してい)できるようになりました。
あまりのスプライトを用意(ようい)しよう
ここからは、あたらしくスプライトを用意(ようい)して、あまりの部分(ぶぶん)を表示(ひょうじ)できるようにしていきますよ。
数字(すうじ)のスプライトのどれかを右(みぎ)クリックで複製(ふくせい)して、「あまりの数字(すうじ)」という名前(なまえ)に変更(へんこう)します。あまりは「・・・」であらわしたいので、そのスプライトもつくってください。

あまりのスクリプト
つづけて、あまり「・・・」のスクリプトをつくっていきましょう。
- 表示(ひょうじ)する位置(いち)をきめて、最初(さいしょ)は非表示(ひひょうじ)にします。
- イコールからのメッセージをうけとったとき、表示(ひょうじ)するかどうかを判断(はんだん)します。

- こたえにあまりがある場合(ばあい)、表示(ひょうじ)します。
- そうでなければ、非表示(ひひょうじ)です。

あまりの数字(すうじ)のスクリプト
あまりの数字(すうじ)のスクリプトもつくりましょう。
- 表示(ひょうじ)する位置(いち)をきめて、最初(さいしょ)は非表示(ひひょうじ)にします。
- イコールからのメッセージをうけとったとき、表示(ひょうじ)するかどうかを判断(はんだん)します。

あまりの数字(すうじ)に指定(してい)するのは、変数(へんすう)こたえ
にはいっている値(あたい)の左(ひだり)からかぞえて5番目(ばんめ)の文字(もじ)です。

- こたえにあまりがある場合(ばあい)、コスチュームをあまりとおなじ数字(すうじ)にして、表示(ひょうじ)します。
- そうでなければ、非表示(ひひょうじ)です。

スクリプト完成(かんせい)
以上(いじょう)で、計算(けいさん)ドリルのつくりかたパート2の解説(かいせつ)はおわりです。緑(みどり)の旗(はた)をおすたびに、「たしざん」「ひきざん」だけでなく、「かけざん」「わりざん」とそのこたえを表示(ひょうじ)するスクリプトができました。








Scratch の Pyxofy ページへいって、実際(じっさい)に計算(けいさん)ドリルであそんでみてくださいね。Scratch けいさんドリル by Pyxofy

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まとめ
今回(こんかい)は、Scratch でつくる計算(けいさん)ドリルの解説(かいせつ)パート2として、以下(いか)のスクリプトをつくりました。
- 「かけざん」と「わりざん」の問題(もんだい) をランダムに作成(さくせい)する
- スプライトを追加(ついか)して、あまりのある「わりざん」のときにこたえがただしく表示(ひょうじ)されるようにする
今後(こんご)のパート3では、問題(もんだい)をだすためのボタンをつくり、こたえをみえないようにして、計算(けいさん)ドリルを完成(かんせい)させます。おたのしみに!
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