JavaScript - for ループ (繰り返し) の基本【初心者向け】

繰り返し、ループとは?

特定の処理を繰り返し実行することをループといいます。JavaScript でループする方法には forwhile があります。

今回紹介するのは、for ループ (for 文) の書き方です。記事の後半では、ループの中で使われる break 文と continue 文について簡単に説明します。

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for ループ

繰り返し処理を実行したい場合によく使われるのが、for ループ (for 文) です。括弧 () の中に3つの式をセミコロン ; で区切って書き、波括弧 {} の中にループさせる処理を書きます。

構文:

for (初期化式; 条件式; 増減式) {

  // 繰り返し実行する処理
  // …

}

括弧 () の中に書くのは次のような式です。

  • 初期化式:繰り返しの最初の値を設定する。
  • 条件式:繰り返す条件を指定する。
  • 増減式:繰り返しの値を更新する。

では、数字をコンソールに繰り返し出力するコードを例にして、for ループの書き方を詳しく見ていきましょう。

初期化式:繰り返しの最初の値を設定する

初期化式は、for ループの最初に実行される式です。一般的には、ループカウンタ変数を宣言し、繰り返しの最初の値を設定します。ループカウンタは繰り返しの回数を数えるための変数で、i で表します。

let i = 0:変数 i を宣言して、0で初期化します。

for (let i = 0; 条件式; 増減式)

条件式: 繰り返す条件を指定する

条件式は、ループを実行するかしないかを評価する式です。true ならループを実行し、false ならループを終了します。

i < 5i の値が5未満なら、という条件を指定します。

for (let i = 0; i < 5; 増減式)

増減式: 繰り返しの値を更新する

増減式は、ループのあとに実行される式です。通常は、変数 i の値を1増やして繰り返しの回数を更新します。i を1増やすためには、変数の値を1増加させるときに使われるインクリメント演算子 ++ を使います。

i++i の値を1 増やします。

for (let i = 0; i < 5; i++)

繰り返し実行する処理

波括弧 {} の中に、繰り返し実行する処理を書きます。

console.log(i)i の値をコンソールに出力します。

for (let i = 0; i < 5; i++) {
  console.log(i);
}

0から数え始めて、5未満の条件を満たす (true) なら、波括弧 {} 内の処理を繰り返し実行するループができました。このコードの場合、i が5になった時点で条件を満たさない(false)になるのでループが終了し、波括弧 {} 内の処理は実行されません。

コンソール出力結果:

0
1
2
3
4

繰り返しの値 i を更新するのは、ループ処理を実行したあとです。for ループを実行する順番は次のようになりますよ。

  • ① 最初に1度だけ実行します。
  • ② 条件を評価し、false の場合は終了します。
  • true の場合は処理を実行します。
  • ④ 変数の値を更新します。
  • false になるまで②〜④を繰り返します。
for ループの式が実行される順番

式の省略

for ループでは、括弧 () 内の式の一部、またはすべての式を省略することができます。

繰り返しの最初の値を設定する let i = 0 は、ループの前に宣言して初期化することで省略できます。

let i = 0; // ループの前に変数を初期化する

for (; i < 5; i++) {
  console.log(i);
}

繰り返す条件を指定する i < 5 は、ループ処理の中に含めることができます。この式を省略する場合は、無限ループにならないようにするためにループの中に break が必要です。そして、繰り返す条件を指定するのではなく、if (i === 5) {break;} のようにループを止める条件にします。

let i = 0;

for (; ; i++) {
  if (i === 5) { break;} // ループを止める条件を指定する
  console.log(i);
}

変数の値を更新する i++ は、ループ処理の中に含めることができます。すべての式を省略する場合でも、括弧 () の中のセミコロン ; は必要です。

let i = 0;

for (; ;) {
  if (i === 5) { break;}
  console.log(i);
  i++; // ループ内で変数の値を更新する
}

配列のループ処理

複数の値を格納できる配列は、ループと一緒に使われることがよくあります。たとえば下のコードでは、配列 prices に格納されている物の値段を、繰り返し処理によって順番に加算し、その合計をコンソールに出力します。

  • let i = 0:配列内の値一つひとつにアクセスするために、ループカウンタ変数 i を使います。配列のインデックスは 0 から始まるので、0で初期化します。
  • i < prices.length:繰り返しの条件には、配列の長さを表す length プロパティを使用します。
  • i++:繰り返すたびに i を1ずつ増やして、配列内の値に順番にアクセスします。
const prices = [198, 250, 398, 510];
let sum = 0;

// 配列内のすべての値に繰り返し処理を行う
for (let i = 0; i < prices.length; i++) {
  sum += prices[i];
}

console.log('合計は' + sum + '円です。');

コンソール出力結果:

合計は1356円です。

for ... of ループ

配列内のすべての値に繰り返し処理を行いたい場合は、for ループではなく for...of ループを使うことができます。上の例と同じ処理をするコードを for...of ループで書くと下のようになりますよ。

  • const price は、配列内の値を受け取る変数です。
  • of に続けて配列名を書きます。
const prices = [198, 250, 398, 510];
let sum = 0;

for (const price of prices) {
  sum += price;
}

console.log('合計は' + sum + '円です。');

for ループと for...of ループでは、波括弧 {} 内の文も変わっていることに注意してください。for ループでは、変数 i をインデックスとして配列の値を取得するので、sum += prices[i] となります。一方 for...of ループでは、括弧 () 内で指定した変数 price で配列の値を取得するので、sum += price となっています。

配列については、こちらの記事も参考にしてください。

JavaScript - 背景色を変更する方法 - 配列からランダムに色を選ぶには?
JavaScript で要素のスタイルを変更する方法を学びましょう。ユーザーのクリックで背景色を変えるコードを、基本と応用に分けて解説します。プログラミング初心者の方や、配列や乱数について知りたい方におすすめの内容となっています。

break - ループを終了する

break 文は、ループを強制的に終わらせるときに使います。

i === 3 なら、ループは終了します。

for (let i = 1; i <= 5; i++) {
  if (i === 3) { 
    break;
  }
  console.log(i);
}

コンソール出力結果:

1
2

continue - 次のループへ移動する

continue 文は、ループを中断して次のループを実行し続けるときに使います。

i === 3 なら、その回のループはスキップします。

for (let i = 1; i <= 5; i++) {
  if (i === 3) {
    continue;
  }
  console.log(i);
}

コンソール出力結果:

1
2
4
5

continue を使った例をもうひとつ見てみましょう。下のコードは、1から 10 の間で奇数のみをコンソールに出力します。if (i % 2 === 0) は、「i が2で割り切れるなら」という意味です。i が2で割り切れる、つまり i が偶数なら、その回のループは中断して次のループへ移動します。

for (let i = 1; i <= 10; i++) {
  if (i % 2 === 0) { 
   continue;
  }
  console.log(i);
}

コンソール出力結果:

1
3
5
7
9

まとめ

今回は、JavaScript で繰り返し処理をするために使われる for ループの書き方と、 break 文、continue 文について紹介しました。

ループは、指定した条件が成立する間は特定の処理を繰り返し実行し、条件が成立しなくなったら終了します。特に、繰り返す回数がわかっているときに使われるのが for ループです。また、変数 i は、数をかぞえるためのカウンタ変数として一般的に使われるので、覚えておきましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。この記事をシェアしてくれると嬉しいです!

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